昨日の新聞に、旭川市内の幾つかの芸術団体によって芸術展が行われていると書いてあった。
そしてその記事で使われている写真は、よく見かけることのある有名な浮世絵を模写したようなものなのである。
この模写絵らしきものが果たして、このまちでは芸術作品なのだろうか?
私は芸術論の講義科目を10年以上担当させて頂いているし、今まで海外にも数十回以上に渡り芸術活動に関する資料収集・調査視察やワークショップに行かせて頂いている。
その立場から言わせて頂くと、今回のような模写絵を芸術展に出品する行為を今後は控えて頂きたい。
また、どのような意味で新聞社が載せたのかは分からないが、もし単純に面白そうな分かりやすい絵だとして選んだのであれば、芸術に対する造詣の無さを知らしめる結果となっている。
少なくとも芸術とは各自を表現することが大切であり、個性やオリジナリティを尊重しなければならない。
その意味でも模写やコピーは、個人の技術向上の為に習作として取り扱われるのであれば問題ないのだろうが、幾ら素人と言えども公の場に芸術作品として展示することは避けるべきであろう。
ただ、ゴッホ等が浮世絵を習作として模写をしている例は今までにもあるが、それらを当時の芸術展に出品していた訳ではない。
私が多くの生徒や学生と今まで関わって来て思うことは、各自が個性的な能力を持っているのにも関わらず自信が持てずに引きこもったりしていることを無念に感じることである。
戦後の教育が問題だったのだから仕方ない、と言ってしまえばそれまでだが、私も含めて多くの教育者や親や大人が、今こそ責任を持って教育する時だと思う。
今後は私自身もこのまちで芸術教育を受け持つ端くれとして、たかが小さいまちの芸術展だから仕方の無いことだと思う前に、子供たちの芽を育む為に大人に対しても教育的指導をしていきたい。